小島が数多く出現する海水面になったもう1つの理由
話は戻って氷河時代。
北欧諸国には「キロメートルの高さ」におよぶ分厚い氷河がたまっていました。
この分厚い氷河は、北欧諸国がのった地殻を沈ませるほどだったと考えられています。
ですが地球が温かくなるにつれて、この分厚い氷河は溶けだし、押さえつけられていた地殻は「跳ね返り」を起こします。
(※静水圧平衡と呼ばれる現象です)
この「跳ね返り」現象は現在も続いており、フィンランドのグヴァルケン諸島では、毎年1平方キロメートルもの新たな台地が水面下から出現しているとされています。
また、地殻の下にあるマントルの温度が高いため、「跳ね返り」の速度がさらに増しているとも報告されています。
この活発な地殻の上昇こそが、現在の地球において北欧諸国に多数の小島が出現している理由となっています。
つまり、現在の北欧諸国に他を圧倒する小島がある理由は、氷河による削り残しによって無数のデコボコが出現したのが1つ。
それから、氷河期の終わりによる海面の押し上げと、地殻の「跳ね返り」による海面の押し下げが絶妙なバランスにある「時期」だから、というのがもう1つの理由と言えるでしょう。
今後、地殻の「跳ね返り」と温暖化による「海面上昇」のどちらかが優勢になれば、この危ういバランスは崩壊してしまうでしょう。
北欧諸国に生じた無数の小島がある風景は、地球全体の歴史から見れば、ほんの一瞬に過ぎないのかもしれません。
フィリピンは?