がんとの共存戦略
本研究では、がん細胞を強制的に休眠させる薬剤「C26」の発見に成功しました。
「C26」は、がん細胞が治療薬と戦うための最終兵器として利用する休眠能力を逆手に取ることで、がん細胞を強制的に休眠させ、危険な転移を封じることを可能にしました。
研究チームは、「C26」による治療効果は特に乳がんにおいて役立つ可能性が高いほか、ターゲットとなるNR2F1の発現レベルが低い(眠っていない)他のがんに対しても役立つ可能性がある、と述べています。
がん細胞を殺し尽くすのではなく「眠らせたままにする」という戦略は、再発や転移を防ぐにあたって合理的な選択と言えるでしょう。
がん細胞との平和的な共存が実現すれば、人類の死因の上位から悪性腫瘍が消える日が来るかもしれません。