小惑星と彗星の違い
小惑星と彗星は何が違うのでしょうか?
簡単に言ってしまうと、小惑星は岩で彗星は氷です。
彗星はぼんやりと輝くは多く尾を引いているという印象を持っている人は多いでしょう。
彗星は「汚れた雪玉」と表現されるような塵が混じった氷の塊なので、これが太陽に近づくにつれて溶けるので、キラキラときらめく尾ができるのです。
氷に含まれていた塵が吹き飛ばされると、それが太陽光を反射する尾となって彗星の進行方向に対して後方に伸びていきます。
一方、溶かされた氷はプラズマ化したガスとして放出されます。これは太陽風に影響されるため、塵の尾とは別方向に太陽に対して垂直に伸びる場合がほとんどです。
そのため彗星はよく観察すると二股に分かれた尾を持っているのです。
この他に、太陽系を周回する軌道も、両者を分ける重要な要素になります。
氷を含んだ天体は、太陽の近くでは形成されないため、太陽系の外縁に存在しています。
そのため、彗星は地球からは非常に遠い、エッジワース・カイパーベルトやオールトの雲と呼ばれる太陽系外縁の領域から非常に長い楕円形の軌道を描いてやってきます。
一方、小惑星は比較的太陽に近い場所で惑星にはならなかった欠片だと考えられ、大体が太陽系の惑星とよく似た軌道を回っています。
そのため基本的に小惑星は、火星と木星の間の小惑星帯(アステロイドベルト)または、木星のラグランジュ点にあたるトロヤ群に存在しています。
このような特徴から両者は分けられるため、尾を引いているのに、軌道は小惑星帯という天体があると、天文学者を混乱させる原因になります。
では、小惑星であるリュウグウが、もともとは彗星だったとする説は、どういうことになるのでしょうか?