不妊治療と精子の選出作業
人工授精を行う場合、精子の運動性が高いほど妊娠の確率も高くなります。
そのため人工授精の最初のプロセスでは、群れの中から「運動性の高い元気な精子だけ」を選別する必要があります。
ところが、従来の精子選別法の1つである「遠心分離」では、複数の装置とステップが必要になり、精子を分離するのに2時間もかかってしまいます。
しかもこの方法は精子に損傷を与えることがあり、酸化ストレスやDNA断片化を誘発します。
そのため精子にダメージを与えない「新しい精子選別法」が求められてきました。
今回研究チームは、精子がもつ「流れに逆らって進む性質(レオタキシス)」を利用して、新しい選別デバイスの開発に成功しました。