EBウイルスは「関節リウマチ」にも関与している
今回の研究により、治療法がなかった進行性の多発性硬化症を改善する免疫療法が開発されました。
進行性の多発性硬化症にかかっている人々は全世界で100万人前後いるとされており、治療法が確立されれば、多くの人々の命と健康を救えるでしょう。
また、EBウイルスは成人の95%がすでに感染していることが知られており、多発性硬化症を引き起こさなかった多くの人々の体内でも、病気の原因になる可能性が示唆されています。
【※特定の体質を持つ人々がEBウイルスの感染によって多発性硬化症を引き起こすとされています】
特にEBウイルスは、新型コロナウイルスの感染によって活性化することが知られており、「脳の霧」に代表される長期的な後遺症の原因であると考えられています。
また他の研究では、EBウイルスが狼瘡(ろうそう、潰瘍の一種)や関節リウマチなどの自己免疫疾患に関与しているという証拠が提示されており、今回の手法を応用することで治療に役立つ可能性がある、とのこと。
なお、日本においては多発性硬化症は20代~30代の若い女性で増加傾向にあり、全体の患者数も年々多くなっています。
なぜ症例が増加しているかは不明ですが、原因となるウイルスの駆除が進めば、解決につながるかもしれません。