・くるみを食べることで脳の「島皮質」が活発に働き、食べ物の摂取に適切な判断ができるようになる
・くるみを食べて得られる「満腹感」は感覚的には知られていたが、実際に脳内を調査したのはこの研究が初めて
ダイエッターに朗報です。くるみが脳内の「飢え」や「食欲」を調整するエリアを「騙す」ことにより、満腹感を感じさせてくれることがわかりました。
https://www.bidmc.org/about-bidmc/news/in-a-nutshell-walnuts-activate-brain-region-involved-in-appetite-control
これまで、感覚的には「満腹感が得られる」として知られていたくるみ。イスラエルの医療機関によって行われたこの研究では、MRIを利用して脳の血流反応を調べる “fMRI” を用いて、くるみが脳内で「食欲」をどのように抑制しているのかを調査しました。
その結果、くるみが右脳の「島皮質」とよばれる場所を活発にして、空腹・満腹判断を適切に行わせていることが判明。つまり、くるみを摂取して「島皮質」が活発に働くことにより、余分なカロリーを摂取する判断をしにくくなることがいえます。
実験では、5日間のセッションが2回に分けて実施されました。片方のセッションでは、被験者は48グラムのくるみが含まれたスムージーを毎日摂取。もう一方のセッションでは、くるみが含まれていないスムージーを毎日飲みました。ただし、このスムージーの味や食感は「くるみ入り」のものと酷似させています。さらに、これらのセッションはシャッフルが行われ、被験者も、研究者さえもどちらのセッションに「くるみ入り」のスムージーが用いられたのかわからない状態で実験が進みました。
その結果、これまでの研究からもわかっていたように、「くるみ入り」のスムージーを飲んだ被験者に「空腹になりにくい」傾向がみられました。そして、実験終了となる5日目に “fMRI” が登場、脳内の血流を調査しました。被験者はその際、ハンバーガーやデザートなどの「食欲をそそる画像」、野菜などの「食欲をそそらない画像」、花や岩などの「自然の画像」をみせられました。
その結果、「くるみ入り」スムージーを飲んだ被験者は「食欲をそそる画像」を見せられた際、右脳の「島皮質」が活発に活動していることがわかりました。島皮質は、認知コントロールに関連する場所であることが知られており、このエリアが活発に働くことにより、被験者たちは安易に「食欲をそそる」食べ物に反応せずに、健康的な判断ができたといえます。
研究を率いたオリビア・ファー医師は、「くるみを食べた後に満腹感を感じやすいことは、これまで感覚的には知られていました。しかし今回の研究により、実際に脳に影響を与えていることが証明されたのは驚きです」と述べています。
今回科学的に実証された「くるみのチカラ」。将来的には、この力が肥満治療に新たな道を切り開くことが期待されます。研究者たちは、次なるステップとして「どの程度のくるみの量」が最も効果的であるのかを調査する予定です。
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via: foodnews / translated & text by なかしー
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