月の土でも植物は育つが理想とは程遠い
今回の研究により、月の土でも地球の植物が発芽・成長できることが示されました。
月の土には危惧していた植物の発芽と成長を停止させるような積極的な要素は含まれてはいませんでした。
ただ植物にとって月の土は非常にストレスの強い土として認識されており、人工土にはみられなかった酷い発育不全を起こす個体がみられました。
一方で植物の受けるストレスは月の土を採取した場所によって大きく異なることも判明します。
太陽風の影響を長く受けた「劣化した土」では粒子サイズが減少し、植物にとってストレスの多い土となっていたものの、太陽風の影響が少ない「劣化の小さな土」では粒子サイズが大きく、比較的良好な生育がみられました。
この結果は、月での農業を営む場合に「いい土」と「悪い土」があることを意味しており、将来の月面基地建設にあたり、有用な基礎情報となるでしょう。
研究者たちは今後も月の土での実験を続けることで、良好な生育が行える植物を開発できると述べています。