安全に摂取できる「食用テープ」を女子学生チームが開発
食べられるテープ「Tastee Tape」は、JHUの工学部に所属する女子学生4名のチームによって開発されました。
完成したテープは、5月3日にキャンパス内で開催された「エンジニアリング・デザイン・デー(Engineering Design Day)」にて発表されています。
エンジニアリング・デザイン・デーは、同大で毎年開催されるプロジェクトで、工学部生が実践的なエンジニアになるために、自分たちのアイデアや能力を披露する重要な場です。
工学部長のエド・シュレシンジャー(Ed Schlesinger)氏は、デザイン・デーの目的について、「学生たちに、本学の教員や研究者、中部大西洋地域の企業、その他のスポンサーと密接に協力する機会を提供すること」と話します。
ここ2年間はコロナの影響でバーチャル開催となっていましたが、今年は久しぶりの学内開催となっています。
こちらは、開発した「Tastee Tape」を披露する女子学生チーム。
Tastee Tape: the “gyro” we need.
Learn more about their awesome invention in this “wrap” up of Design Day 2022 projects: https://t.co/I6zrRltT65 pic.twitter.com/K8W1MYrMnj
— Johns Hopkins University (@JohnsHopkins) May 18, 2022
チームは、食用テープ開発を思いついたきっかけについて、昼食時にブリトーを食べた際、中身の具材がこぼれて机を散らかしてしまった出来事がヒントになったといいます。
チームの一人であるタイラー・ガリーノ(Tyler Guarino)氏は「まず、テープやさまざまな接着剤の科学的なメカニズムについて調査し、それから接着剤として使えて、食べられる素材を探す作業に移りました」と話します。
数多くの素材の組み合わせを試し、最終的なレシピにたどり着くのに数カ月を要したといいます。
そして試行錯誤の末、ついに0.5インチ×2インチ(約1.3センチ×約5センチ)の長方形の食用テープを完成させました。
使い方はシンプルで、ワックスペーパーに貼り付けた食用テープを剥がし、水に濡らして、ブリトーやタコスに貼るだけです。
テープの粘着性は水分によって活性化するため、食品に貼る前に少し水分を与える必要があるという。
テープは基本的に透明の素材となりますが、下の右画像は、見やすくするために青色で着色されています。
テープは安全に食べられるだけでなく、タコスやブリトーをまとめるのに十分な強度を備えているとのことです。
一方で、気になるテープのレシピや成分は、特許申請中のため現在は非公開にされています。
チームメンバーは「現時点で言えるのは、テープに使用したすべての成分は体内に摂取しても安全で、一般的な食品および食品添加物を使っている」と話します。
特許を取得し次第、レシプの公開や実用化に向けての取り組みが開始されるようです。
日本では、タコスやブリトーを食べる機会もそう多くないかもしれませんが、これなら手巻き寿司やクレープなど、きれいに食べるのに苦戦する他の巻物系にも応用できそうです。