リコピンがお肌にいいなら太陽電池にもいいだろう
日を浴び続けることで皮膚が傷んだり、シミになってしまうのは、紫外線を浴びた皮膚細胞に生じる活性酸素(フリーラジカル)が原因です。
活性酸素は肌のハリを保つコラーゲンなどを破壊してしまうのです。
しかし、トマトに含まれるリコピンには抗酸化作用があり、紫外線にさらされた皮膚で発生する活性酸素を消去してくれる働きがあります。
そのためトマトは「食べる紫外線対策」などと呼ばれています。
一方、ソーラーパネルが太陽光で発電を行っているときにも、パネルのポリマーは紫外線を浴びることでフリーラジカルが発生することが知られていました。
酸素が存在すると、そこで材料に酸化が起きてしまいます。
酸化とは対象から電子を奪い取ることを意味しています。電子が抜かれると、そこには正孔(いわゆるアナ)ができます。つまり材料がボロボロになってしまい、これが腐食や劣化の原因となるのです。
これは発電効率にもダメージを与えます。
つまりお肌もソーラーパネルも同じ原理(酸化)で劣化していたのです。
そこで今回、吉林大学の研究者たちは、次世代型ソーラーパネル「ペロブスカイトソーラーパネル」をお肌にみたてて、トマトのリコピンを加えてみることにしました。
ペロブスカイトソーラーパネルは高い発電効率を持ち次世代の主流と期待されていますが、既存の製品に比べて酸素や水分の影響を受けやすく脆いため、安定性の向上が最大の課題となっていました。
もしリコピンがお肌でみせてくれた抗酸化作用をソーラーパネルでも発揮してくれれば、パネルの劣化を抑えて安定性向上に役立つ可能性があったのです。
しかし、そんなに簡単に上手くいくものなのでしょうか?