電子舌「ハイパーテイスト」
研究チームは、視覚や聴覚など「人間の感覚を模倣したAIや機械学習」に触発され、液体の種類を判別できる電子舌「ハイパーテイスト」を開発しました。
ラッチ氏はハイパーテイストの構造について、次のように解説しています。
「私たちの舌には、何千もの味蕾(味を感じる味細胞の集まり)があります。
そして電子舌は、味蕾のような味センサーを複数配列することで本物の舌のような構造を作り出しているのです」
加えて、「各センサーは電池の仕組みに少し似ていている」とも述べています。
電池は「プラス極の材料」と「マイナス極の材料」を「電解液」に浸すことで化学反応を引き起こし、電子の移動によって電流を発生させています。
電子舌も同じように、センサーを「調査したい液体」に浸すことで、液体特有の電気信号が発生するようになっています。
そしてこの信号は、小型デバイスからモバイルアプリへと送信され、その後、クラウドサーバーへと転送。
クラウドサーバーでは、機械学習モデルによって味データの学習、データベースにある既知の液体との比較が行われます。
1~2分後には、液体を特定したり、液体の特性を分析したりして、その結果をアプリに報告してくれるのです。
確かにこのメカニズムは、まるで人間の味覚システムのようですね。
電子舌「ハイパーテイスト」は、私たちと同じように、新しい飲み物を味わったときにその味の特性を知り、記憶します。
そしてこの経験を積み重ねることで味の違いを判断し、その液体の種類を特定できるのです。
では実際に電子舌は、どれほどのテイスティングが可能なのでしょうか?