港や水路に浮かぶゴミを回収してくれる「水上ロボット掃除機」
ラン・マリーン・テクノロジー社が開発したウェイストシャーク(Waste:廃棄物、Shark:サメ)は、その名の通り、海洋廃棄物を掃除してくれる自律型ドローンです。
箱型ロボットであり、大きく開いた口から水上に浮かぶさまざまなゴミや藻を吸い込んで掃除してくれます。
その姿はまるで、ジンベイザメが大きな口を開いてプランクトンや海藻を食べているかのよう。
157cm×109cm×57cmのサイズであり、重さは72kg。最高速度3km/hで水上を移動できます。
これまでにも水上掃除ロボットは開発されてきましたが、このウェイストシャークの特徴は、その自律性にあります。
ドローン技術のシステムが搭載されたウェイストシャークは、あらかじめ特定の水域やルートを指定することで、自動で掃除してくれるのです。
稼働時間は10時間であり、1日あたり500kgものゴミを取り除くことができるのだとか。
しかもGPSによって、目的水域までの移動とホームへの帰宅も自動で行います。
まさに放っておけば自動でお掃除してくれる「水上版ルンバ」というわけです。
さらにウェイストシャークはpHや塩分濃度などの水質データを集めることも可能。
いくつかの水域で稼働させるなら、データを統合して水質マップを作成できます。
とはいえ、海洋清掃船など、すでに海を掃除するための大きな装置や船は存在します。
そのためウェイストシャークは、船舶などが入り込めない比較的小さな水域や港付近、池、水路などで活躍するでしょう。
日本の自治体にもぜひ購入してほしくなる商品ですが、現在のところこの小規模な掃除によって、環境問題をどの程度改善できるかは未知数です。