運河の再生が困窮している人々のメンタルヘルスを改善する
グラスゴー周辺は、経済的な困窮度が高く、生活が大変な地域です。
そのため、そこに住む人々は精神的な問題を抱えやすく、メンタルヘルスの改善が大きな課題となってきました。
そして研究チームは、10年間にわたる調査の結果、運河の再生がこれらの人々のメンタルヘルスに良い影響を与えていることを発見しました。
経済的に最も恵まれていない人々で6%、中程度に困窮している人々で4%のメタルヘルス改善が見られたのです。
研究チームによると、「青の空間によるメンタルヘルス改善効果は、緑の空間がもたらす効果と同じか、それ以上だと示唆されています」とのこと。
またグラスゴー・カレドニアン大学で行われた2022年の別の研究では、再生されたフォース・アンド・クライド運河周辺に住むと、心血管疾患、脳卒中、高血圧になるリスクが10%以上も低下すると報告されています。
ただし現段階では、これらの結果と今回のメンタルヘルス改善の明確な因果関係は明らかになっていません。
しかし、水のある空間は私達の精神に重要な影響を与えていて、メンタルヘルスの改善や病気のリスク低下につながっているのかもしれません。
これらの点は、今後の研究によって解明していく必要があるでしょう。
研究結果を総合すると、これからの都市計画には、緑地の導入と同じくらい、水路や湖の導入について考慮した方が良い可能性が示唆されます。
そして研究チームは、「青の空間」導入の優先順位について、「今回の研究が示しているように、最も経済的に困窮している地域に焦点を当てるべき」だと述べています。