「パブリック空間」を意識した建築・都市デザイン
建築や都市のデザインにおいて、空間がどのように作用するか考慮することは非常に重要です。
例えば下画像のようなデザインでは、2種類の空間が生まれます。
1つは「パブリック空間」と呼ばれ、人が集まりやすい場所です。
この空間では活発な交流が生まれやすく、ベンチなどを置くことでさらに活性化されます。
もつ1つは「プライベート空間」です。
こちらは人の交流が生まれにくい場所であり、静かで集中するのに適した場所だと言えます。
人が集まりづらいのでインテリアを置くのに適切であり、静かに休憩したい人のために一人用のイスを設置することもできます。
上画像のような比較的シンプルなデザインであれば、「パブリックとプライベート」の空間設計は比較的容易です。
しかし近年では、建築技術の向上により、複雑で多様な建築物や都市が増えています。
熟練した空間デザイナーであれば、磨かれた感性や経験則によって適切な空間設計の認識が可能ですが、それだけではプロジェクトが完遂しません。
住宅のフロアレイアウト、インテリアデザイン、駅前や公園の活用方法などは、ユーザーとデザイナーが対話して協力しながら設計していくものなので、「デザイナーだけが理解していればよい」というものでもないのです。
そこで本間氏ら研究チームは、ユーザーにも理解しやすいように「人々の交流の生まれやすさ」を定量化・可視化するソフトウェアを開発することにしました。