カカオ飲料が愛されたのは「カフェインによる興奮」が貴重だったから?
西暦16世紀初頭にスペインの征服者が到着するまでには、中南アメリカのほぼ全域でカカオが栽培されていました。
そしてこの時点でも、まだチョコレートは固形物でも甘いものでもありません。
「ぬるくて甘くないホットチョコレート」のようなカカオ飲料が一般的であり、いくつかのレシピでは、スパイシーさを求めて唐辛子が使用されていたのだとか。
現代の私たちからすると到底美味しそうには思えませんが、昔の人々には愛されていました。
その理由の1つは、カカオに含まれるカフェインだと考えられます。
ニューヨーク市立大学リーマンカレッジ(CUNY)に所属する植物考古学者キャメロン・マクニール氏は、その理由を次のように説明しています。
「古代のアメリカ人にとって、カカオ飲料から得られる僅かな刺激は爽快なものでした。
メソアメリカにはコーヒーの木が生育しておらず、カカオ飲料こそが当時入手できる唯一の興奮剤だったのかもしれません」