「固形の甘いチョコレート」がヨーロッパで誕生する
16世紀以降、カカオ飲料はヨーロッパにも伝わっていきます。
1795年にはカカオを研究していたジョセフ・フライ氏が、蒸気機関によるカカオ豆の粉砕技法の特許を取得。
その後、彼の子孫によって、ココアニブを粉砕して脂肪分を除いた「ココアパウダー」がつくられ、次いで砂糖と組み合わせた固形のチョコレートが生み出されました。
そして1847年、イギリスの会社「J.S. Fry and Sons」によって、世界初の板チョコ(チョコレートバー)が製造されたのです。
1870年代にはスイスのネスレ社が粉ミルクを使用した初の「ミルクチョコレート」を発売しています。
さらに1920年代、禁酒法の影響でアメリカ人たちはアルコールの代わりに甘味を求めるように。
これにより、板チョコがアメリカで爆発的な人気を博したのです。
そして現在では、世界中で「甘いチョコレート」が定着しています。
さらに原点回帰というべき「カカオ80%」「カカオ99%」などの甘くないチョコレートも人気となりました。
もし苦いチョコレートを食べる機会があるなら、古代の人々が飲んだであろう「苦いカカオ飲料」のことを考えてみてください。
あなたは数千年前の人々と同じく「苦くて大人な味」を楽しんでいるのです。