2023年の天体観測おすすめランキングBest5
2022年を振り返ったところで、いよいよ2023年に観測したい、おすすめ天文現象を紹介します。
可能な限り肉眼で、もしくは双眼鏡で都会でも気軽に見られて観測のしがいがあるものにフォーカスしました。
いかに珍しく見応えがあっても、日本のわずか一部でしか見られないものや必要機材などのハードルが高いものはランク外となっています。
Best1:2月2日にズィーティーエフ彗星が地球に最接近、肉眼で見えるかも?
彗星は予期せぬタイミングで空に現れるので、ワクワクする天文現象ですよね。ということで、期待を込めて1位にしました。ズィーティーエフ彗星は2022年の3月に発見された彗星です。
彗星が明るくなる観測チャンスは、太陽に近づいたときと地球に近づいたとき。太陽にもっとも近づくのは2023年1月13日ですが、残念ながら太陽から距離があり、明るさは6等くらいだと予想されています。
しかし、地球に接近するにつれ明るくなり、4等台まで明るくなると予想されているうえ、1997年に夜空を彩ったヘール・ボップ彗星に似てチリの尾が目立つ彗星なので、尾がはっきり見えるのではないかと期待されています。
さらに、地球に最接近するときが北極星の位置にきたときで、1月下旬から2月初め頃は一晩中夜空に見えるのだとか。
都会での彗星の観測は、2021年のネオワイズ彗星が3等台のときにギリギリ肉眼でわかるくらいだったので、4等台だと厳しいと思います。でも、双眼鏡なら見ることができる明るさなので、今から準備しておきましょう。
Best2:3月2日に金星と木星が大接近
明るい2大惑星が、夕方の西の空で満月の直径くらいまで接近します。2022年は天気が悪かったので、リベンジですね。
肉眼でも楽しめますし、双眼鏡だと同一視野に見ることができます。ただ、高度が低いため、あらかじめひらけた場所を探しておきましょう。
Best3:2大流星群、8月13日ペルセウス座流星群と12月15日ふたご座流星群が好条件
片方だけ好条件はありますが、どちらもというのは珍しいため、一緒にBest3の位置にしました。
2023年はペルセウス座流星群もふたご座流星群も、極大の予想時間とそんなに離れていない時刻で観測を始められるうえ、月明かりの影響も受けないという好条件です。
ペルセウス座流星群は8月13日17時頃に極大の予想なので、放射点が高くなるのを待たず空が暗くなったら観測をはじめるのが良いでしょう。新月の3日前で月も早朝まで出ません。
ふたご座流星群は15日の4時頃に極大の予想です。早起きは大変ですが、13日が新月なので一晩中最高の条件で観測できます。
Best4:9月21日にさそり座の1等星、アンタレスの食
夏の星座でもっともポピュラーなさそり座の心臓に位置する赤い星、アンタレスが夕方の半月になる少し前の月に隠されます。
夜にアンタレス食が起こるのは、18年ぶりなのだそう!
ただし、アンタレスが月に潜入する時刻は空がまだ明るいのと、出現時も月明かりで肉眼だと見にくいため、双眼鏡の使用が推奨です。
Best5:4月11日〜12日に金星がプレアデス星団(すばる)に接近
−4.1等で明るく輝く金星が、プレアデス星団の近くを通過します。
2020年にも同様の現象があり、双眼鏡を使うと美しい共演が楽しめたので、ぜひ見てほしい天文現象です。
2020年は、このように金星とプレアデス星団が接近する様子が見られました。