丸みをおびたナノサイズのオブジェクト。モデル(上)と電子顕微鏡画像(下)
丸みをおびたナノサイズのオブジェクト。モデル(上)と電子顕微鏡画像(下) / Credit:Daniel Fu(Duke University)_DESIGNING WITH DNA(2022)
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DNAでナノサイズの壺や皿を作成することに成功!

2022.12.28 Wednesday

生物の設計図であるDNAは、ナノサイズのオブジェクトを作るのに役立ちます。

アメリカ・デューク大学(Duke University)コンピュータ科学部に所属するダニエル・フー氏ら研究チームは、DNA鎖を使って壺や皿、空洞球体のような、やや複雑で丸みをおびた物体を作成することに成功しました。

それぞれの物体はわずか10~50nmほどの極小サイズであり、ものづくりの新たな扉を開く可能性があります。

研究の詳細は、2022年12月23日付の科学誌『Science Advances』に掲載されました。

DESIGNING WITH DNA https://today.duke.edu/2022/12/designing-dna
Automated design of 3D DNA origami with non-rasterized 2D curvature https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.ade4455

DNA鎖を利用したオブジェクト作り

DNAは4種類の塩基で構成されている
DNAは4種類の塩基で構成されている / Credit:Canva

DNAは主に「塩基」と呼ばれる物質で構成されています。

そしてこの塩基には、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類があり、それぞれが鎖のように繋がって並んでいます。

この塩基の配列が「生物の設計図」を示しており、並び方によって、作られるタンパク質の性質や働きが変わってくるのです。

つまり塩基は、遺伝情報を記すための「文字」であり、それが書き連ねられたDNA鎖は「文章」のような存在です。

しかし塩基やDNAが物質である以上、「遺伝情報を記憶する」以外にも、もっと物理的な使い方ができるようです。

DNAそのものを建築材料のように扱い、オブジェクトを作成できるのです。

実際、研究者たちは1980年代からDNAを用いた極小サイズのオブジェクトを作成してきました。

紐を重ねてオブジェクトをつくるイメージ
紐を重ねてオブジェクトをつくるイメージ / Credit:Canva

その方法とは、細長い紐とホチキスで立体的なオブジェクトを作るのに似ています。

長いDNA鎖を折り畳んで立体的な形を作った後、短いDNA鎖で「ホチキス止め」するのです。

これにより、立方体、ピラミッド型、球体など、シンプルな形状のオブジェクトが作成されました。

では、もっと複雑な形状を作成することは可能なのでしょうか?

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