保有効果が人にストレスを与え、物を手放すのを難しくさせる
多くの人は不要な物をため込みたくないと感じています。
それにもかかわらず、いざ物を捨てたり売ったりするとなると強いストレスを感じてしまいます。
これには、「保有効果(endowment effect)」が関係しています。
保有効果とは、自分が所有している物に対して高い価値を感じ、それを手放しがたく思う心理現象のことです。
例えば、長年乗ってきた愛車やずっと練習に使ってきたボロボロの楽器などは、今後それを実際に使う機会がほとんどないとしても、手放すことに抵抗を感じるものです。
思い切って売ったり捨てたりしても、後になって「やっぱり手放さなければよかった」と後悔することもあるでしょう。
また、こうした保有効果は、現在の所有者に物を余計に高い価値で感じさせる効果があることも知られています。
中古の車を売却する際に、所有者と中古業者間で値段交渉がうまくいかない場合は、この保有効果が関係することもあるようです。
では、所有者が物品を手放す際にストレスを軽減し、適切な価値観で取引するための助けはあるでしょうか?
チュウ氏ら研究チームは、ある調査と分析によって、この課題を解決する方法を見つけました。