オフィスでは人柄やコミュニケーション能力が重視されてきた
新型コロナウイルスのパンデミック発生と共に、社会ではオフィスを離れ自宅で作業する仕事も増えてきました。
これによって同僚との交流が減ったと感じる人も多いでしょう。
確かにテレワークが一般化する前の職場環境では、人と直接会話し、協力・相談しながら仕事を進めるのが当たり前でした。
休憩時間でさえも、交流を深めたり情報交換したりする重要な機会となっていました。
しかし、自宅作業ではほとんどが孤立して行う状況となり、同僚との交流は限定的です。
このような社会変化は、コミュニケーション能力に対する採用担当者の評価にも影響している可能性があります。
例えばコロナ禍以前の採用担当者たちは、能力(知性、器用さ、向上心)よりも温かさや人柄(社交性、礼儀正しさ、親しみやすさ)を重視する傾向にありました。
仕事は早くて正確でも、社内で頻繁に人と衝突したり、取引先に不躾な態度を取ったりするような人は評価が低かったのです。
また面接でも、オドオドして目を見て挨拶できなかったりすると、採用される確率は大きく下がっていました。
対照的に、能力は中程度でも人柄が優れた人(コミュニケーション能力が高い人)は、職場全体の雰囲気を改善し、取引先とも良い関係を築けるため、重宝されてきました。
当然、就活している人たちも、これらのポイントをわきまえることで採用される確率を高めてきたでしょう。
では、パンデミック後はどうでしょうか?
多くの会社ではリモートワークを継続しており、自宅でひとり、1日中無言で働くリモートワーカーたちの採用が増えています。
では、こうした働き手の環境の変化は、採用の傾向にどのような影響を与えるのでしょうか?
フシアニ氏ら研究チームは、これらを明らかにするために2つの研究を行いました。