「キャラクリ支援AI」文章からキャラの顔を作ってくれるAIが開発!
3Dモデリング技術の向上により、近年のロールプレイングゲーム(RPG)ではプレイヤーの分身となるキャラの顔を、かなり細部に至るまで設計(キャラクリ)できるようになってきました。
しかし細部までキャラクリできるゲームでは、設定すべきパラメーターが膨大な量に昇るため、こだわればこだわるほど、膨大な時間がかかってしまう場合もあります。
そこで近年になって着目されるのが、キャラクリを支援してくれるAIの存在です。
たとえば以前に行われた研究では、プレイヤーが用意した顔画像を参考にしてキャラクリを自動で行ってくれるAI「F2P」が提案されました。
しかし既存の「F2P」は多種多様の顔画像に広く浅く対応するため、いくつかの顔パーツにかんして制御を諦めており、結果としてプレーヤーによる追加の微調整を必要とされていました。
またこのシステムでは、想定するキャラクターの顔を再現した画像が必要となります。
そこで今回NetEase社の研究者たちは、文章を打ち込むだけで3Dのキャラクターの顔を自動生成してくれるキャラクリ支援AI「T2P」を開発しました。
このキャラクリ支援AIはプレーヤーが入力した文章の内容を把握して、これまで人力で調整していた複数の顔パーツのパラメータの最適なセットを自動生成するように訓練されています。
上の図ではT2Pに打ち込まれた文章と実際に生成されたキャラを表示しています。
もちろんこのシステムは、使用するゲームが搭載しているキャラメイクシステムの制限を受けることになるため、常に意図通りに機能するとは限りません。
今回研究に使用された「Justice Online」のキャラメイクシステムでは上の図のように、「トランプ元大統領」をリクエストしても上手く生成できませんでした。
しかしジャッキーチェンやオバマ元大統領のように、幾つかのケースでは誰もが納得するようなソックリな風貌を描き出すことに成功しています。
NetEase社はこの技術を2023年末発売予定の「Justice Online」で実装予定だと述べています。
ちなみに「Justice Online」は格ゲーとオープンワールドを融合させたオンラインゲームだという。
今回の技術は、他のもっと調整パラメーター項目が多いゲームや少ないゲームでも適用可能とのこと。
そのため研究者たちは将来的に、T2Pがより多くのゲームに採用される可能性があると述べています。