「IKEA効果」の認知メカニズムが解明される
「IKEA効果」の認知メカニズムが解明される / Credit:Canva
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DIY経験が商品価値を高める「IKEA効果」の認知メカニズムが解明される

2023.04.22 Saturday

北欧スウェーデン発祥の世界最大家具メーカー「IKEA」での買い物が好きな人は多いでしょう。

世界中でIKEAが愛される理由の1つは、IKEA効果だと考えられています。

これは、「自分で家具を組み立てるDIY体験が愛着を生み出し、商品価値を高める」効果のことです。

中央大学理工学部人間総合理工学科に所属する檀一平太氏ら研究チームは、脳活動パターンを調べることで、IKEA効果の認知メカニズムを科学的に解明することに成功しました。

人々が自分で作った家具を評価する時、過去の記憶の想起に関連する脳領域が活発に働いていたのです。

研究の詳細は、2023年4月17日付の学術誌『Frontiers in Neuroergonomics』に掲載されました。

「コト消費」の価値を判断する脳機能の可視化に成功!-DIY経験が商品価値を高める「IKEA効果」の認知メカニズムを科学的に解明- https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2023/04/65672/
Visualizing the IKEA effect: experiential consumption assessed with fNIRS-based neuroimaging https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnrgo.2023.1129582/full

体験を重視する消費スタイル「コト消費」の時代が到来

人々の関心は「モノ消費」から「コト消費」へ
人々の関心は「モノ消費」から「コト消費」へ / Credit:Canva

近年では、「モノ消費」ではなく「コト消費」に人々の注目が集まっています。

モノ消費とは、車や家電品、衣類の購入など、モノの消費を重視した消費スタイルです。

一方、コト消費とは、旅行や遊園地、工芸体験などの「体験や経験」を重視した消費スタイルを指します。

昔はモノ消費に注目が集まっていましたが、現代人の多くは物質的に満たされているため、物欲を満たすよりも、体験を通じて精神的な豊かさを得ることに価値を見出すようになっているのです。

DIY経験が商品価値を高める「IKEA高価」
DIY経験が商品価値を高める「IKEA高価」 / Credit:Canva

こうしたコト消費の傾向は、IKEA効果とも深く関連していると考えられます。

単にモノを購入するだけでなく、「自分で作る」という体験が、IKEAの家具の商品価値を高めているというのです。

しかし、IKEA効果が発生する時の認知メカニズムは謎のままです。

そこで研究チームは、IKEA効果が発生することを改めて確認し、その時の脳活動を調べることにしました。

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