超大陸が分裂すると「大陸の底」が落下する
なぜ超大陸の分裂から2600万年後にダイヤモンドを含むキンバーライトの噴火が起こったのか?
謎を解明するため、研究者たちはコンピューターモデルを用いて、超大陸の分裂によってプレートの下で何が起こるかを調べてみました。
すると上の図のように、地下からのマグマの吹き出しで大陸プレートが引き裂かれると、地下のマグマで激しい対流が発生し「大陸の底」にあたる薄い色の部分が流れによって砕かれ、次々に水飴のように沈み込みを起こしていることがわかりました。
沈み込んでいく大陸の底には、炭素源となる炭酸塩と二酸化炭素が豊富に含まれており、既にダイヤモンドの形成が進んでいたと考えられます。
また加熱された大陸の底は上向きの流れに乗り、しばしば地表に向けた爆発的な噴火を起こします。
この爆発的な噴火が起こると、地上に向けてたマグマがダイヤモンドごと噴出し、後のダイヤモンド鉱山となるのです。
また上の動画では対流の連鎖が一瞬で起こるようにみえますが、実際には非常に長い月日がかかるプロセスであり、2600万年ものタイムラグの原因となっています。
これまでの研究では、最近のキンバーライトの噴火が1万1000年前のタンザニアで起きたことが知られていますが、それ以外のほとんどは1億4600万年前から6600万年前の間に起きたと考えられています。
王家の宝石や結婚指輪などに使われるダイヤモンドが、超大陸の分裂に端を発する奇妙な噴火によって地表に現れたという事実は、実に興味深いと言えるでしょう。
もし今後、ダイヤモンド鉱山が漏斗状になっている理由を人に聞かれたら、対流する「大陸の底」と「ダイヤモンドがちりばめられた細いパイプ」の話をしてあげるといいかもしれません。