超大陸の死がダイヤモンドを地上に出現させたと判明!
ダイヤモンドは膨大な圧力と高温に晒された炭素よって作られています。
ダイヤモンドが作られるような高温高圧は地球のかなり深い場所に限られていますが、ダイヤモンド鉱山の多くは人類が採掘できるような地球表層に存在しています。
生成場所と存在場所の食い違いが起きる主な原因は、ダイヤモンドが存在する大深度から地上に向けた超高速のマグマ噴出が起きたためです。
噴出が高速になる理由は、マグマの通り道が極めて細いからです。
ダイヤモンドを含むマグマの通り道は深い場所ではわずか直径数メートルの細い管ですが、地上に近づくにつれてニンジンの下から上に進むようにマグマが拡散し、直径数百メートルの巨大な噴火口が一瞬で形成されます。
結果、ダイヤモンド鉱山の多くは、上の図のように漏斗状に採掘が行われています。
またこのとき、マグマの通るパイプの管部分にはキンバーライトと呼ばれる、火成岩が形成されます。
そのためダイヤモンド鉱山の多くでは、ダイヤモンドはキンバーライトと一緒に産出されます。
上の図では、キンバーライトに埋もれる形でダイヤの結晶がみえています。
そのような激しい噴火が起こる場所としては通常、プレートが衝突したり生成される火山地帯やハワイのような火山のホットスポットが思い起こされるでしょう。
しかし火山の多い日本やハワイには、ダイヤモンド鉱山はありません。
それどころか、ダイヤモンドの産地を調べると、その多くがプレートの端からかなり離れた大陸の内陸部などに存在していることがわかります。
さらに興味深いことに、ダイヤモンドと一緒に産出するキンバーライトの成分を調べたところ、通常の火山噴火とは全く異なるパターンを示していました。
研究者たちの言葉を借りると「化学的に噴火の臭いがまったくしない」とのこと。
つまりダイヤモンドとキンバーライトを含むマグマは、通常の火山とは異なる仕組みで、分厚い大陸プレートの底から上に向けて一気に噴出したのです。
しかし、なぜダイヤモンドを含むマグマは一般的な火山地帯ではなく、大陸の底から高速で飛び出して来るのでしょうか?
謎を解明するため、サウサンプトン大学が目をつけたのが超大陸の分裂でした。
研究者たちは過去10億年にわたる大陸移動を追跡し、キンバーライト噴火が起こった時期を比較しました。
すると驚いたことに、多くのキンバーライトの噴火が超大陸が分裂した2600万年後に、大陸内部で起きていたことが判明したのです。
上の動画では、キンバーライトの噴火が起きた位置を点で示しており、超大陸が裂けていく場所から少し内陸の位置で、噴火が起きていることが示されています。
この結果は、超大陸の分裂がダイヤモンドが地表に出現するためのトリガーになっていたことを示しています。
しかし、なぜ超大陸分裂直後ではなく、2600万年ものタイムラグがあったのでしょうか?