2023年のペルセウス座流星群のベストな観測時刻は?
ペルセウス座流星群は、三大流星群のなかでも最も人気の流星群と言っていいでしょう。
出現が安定しているのはもちろんですが、三大流星群のほか2つである、ふたご座流星群としぶんぎ座流星群と違って、季節が夏なので長い時間観測していても寒くありません。
さらに、お盆休み期間でゆっくり観測する時間がとれる人は多いですよね。
そんなペルセウス座流星群の今年の極大は8月13日の17時頃と予想されています。
流星が放射状に流れる中心となる、放射点が観測しやすい高度まで上がるのは21時頃なものの、放射点がまだ低い位置にあるときでも、たくさんの流星が見られるケースはあります。
8月13日の日没時刻が18時34分(東京都)なので、極大に近い時間帯で観測したい人は、暗くなってくる19時30分頃から観測を始めてみましょう。
流星群には流星がやってくる定番の方向があります。
全ての流星の軌跡が交差する点を放射点と呼び、これが高く上がる時刻は21時頃から明るくなってくる3時頃なので、この時間帯を狙って観測するのがオススメです。
観測の際は目が慣れるまで最低20分ほどは暗い空を見ること、放射点は意識しつつも、広い範囲を見るようにすると流星を見つけやすいでしょう。
月明かりも好条件
流星群を観測するときにもっとも気になるのが、極大の日時と月明かりの影響です。
今年は8月16日が新月なので、ペルセウス座流星群の極大の日は新月の3日前。月は夜中の1時半頃に昇りはじめますが、非常に細い三日月なので、流星観測の邪魔になりません。
むしろ、流星の観測に彩りを与えてくれて、一緒に楽しむことができます。
「火球」に注目
流星群を観測していると、たまに流星と思えないような、非常に明るい流星を見ることがあります。
このような流星のことを火球(かきゅう)といいます。国立天文台の情報によると、特に定義はないものの、−4等程度より明るい流星のことを火球と呼ぶことが多いようです。
参考として、今年の7月に最大光度になった金星の明るさが−4.5等だったので、金星くらい明るいということになりますね。
そんな火球の流れたあとには、流星痕(りゅうせいこん)と呼ばれる薄明るい煙や雲のようなものが、しばらく見えることがあります。数秒で消えるものを短痕(たんこん)、数十分も残っているものは永続痕(えいぞくこん)と呼ばれます。
また、流星は赤や緑の色がついて見えることがありますが、明るい火球はそれがわかりやすいです。
流星は、流星のもとになる物質(主に彗星が軌道上に残すチリ)が地球の大気に飛びこんできたときの摩擦によって発生するエネルギーで発光します。その際、どんな分子や原子が発光しているのかによって、色が変わるのです。
酸素なら緑、窒素なら赤の色が見えますが、おもに短痕(たんこん)は緑、永続痕(えいぞくこん)は赤い光となります。
筆者は以前、一晩中ペルセウス座流星群を観測していたことがあるのですが、火球は5〜6個見ることができました。
見えたら幸運ですし、そのときは色や流星痕にも注目してみてくださいね。
ちなみに、火球よりも明るい流星を表す用語はあるのか? というと、−17等級より明るい流星は超弾体というのだそう。人生で1回は見てみたいものですね!
13日に観測できない場合は?
ペルセウス座流星群の出現期間は、実は7月20日頃から8月20日頃と約1カ月間あります。
出現は極大日の前後に集中するので13日から14日にかけてがベストなものの、カレンダー通りの休みで14日は仕事があって夜明けまで起きていられないという人もいますよね。
国立天文台の情報によると、前日の13日の夜明け近くにも多めの流星の出現が期待されているそう。極大日のほうの予想個数は空の暗い場所で1時間に30個程度ですが、こちらの前日のほうは1時間に25個程度なので、観測に挑戦する価値はあります。
また、20日頃までは夜に歩く機会があったら、ついでに空を見るようにすると運良く流星に出会えるかもしれません。