極リング銀河とは
極リング銀河とは、ガスや星々からなる外側のリングを持つ銀河であり、そのリングは中心の銀河に対して「極軌道」で回転します。
極軌道とは、銀河面に対して垂直に回転することを言います。
例えば、人工衛星は地球に対して極軌道を取る場合があり、赤道に対して直角の軌道を持っています。
極リング銀河の場合も同様に、外側のリングの回転方向が直角になっているのです。
この何とも珍しい銀河は、1980年代にはいくつか特定されており、「NGC 4650A」などが有名です。
現在では100個以上の極リング銀河が発見されていますが、どうしてこのような天体が生じたかについては、未だ議論が続いています。
現在のところ、最も有力なのは、「2つの銀河の衝突」説です。
銀河団の密集地域では、銀河同士が衝突することも珍しくありません。
そのため極リング銀河は、小さな銀河が大きな銀河に対して直角に衝突することで、小さな銀河が破壊されてリング構造を形成したと考えられているのです。
まだまだ謎の多い銀河ですが、この度、新たに2つの極リング銀河が発見されました。