土星の環は厚みが異様に薄い
土星の環は当然ながら一枚の巨大な岩板などではありません。
実際は数センチ〜数メートル程の氷や塵が無数に集まったもので、それらが土星のまわりを高速で公転することで環を形成しています。
また土星の環はA・B・C〜というように数種類の環に分かれており、外側のA環とB環は地球から小望遠鏡でも観測できます。
A環とB環の隙間は「カッシーニの間隙」と呼ばれています。
さらにB環の内側にはC環とD環があり、反対にA環の外側にはF・G・E環と非常に薄くて不完全なリングが探査機による観測で確認されています。
土星の環は非常に巨大で、最も大きなB環の幅は約2万5000キロメートル、次に大きなA環の幅は約1万5000キロメートルに達します。
このように天体としては非常に小さい塊が広範囲に広がって形成されているのが土星の環の正体ですが、その一方で、土星の環は厚みがきわめて薄いという特徴があります。
土星の環の厚さは、せいぜいが1キロメートル程しかありません。(近年の研究では、わずか10メートルという報告もある)
この「厚みの薄さ」という特徴が土星の環が見えなくなることに大きく寄与するのです。