消防士たちに鬼のトレーニングを行ってもらう
適度な運動が免疫力を長期的に向上させることは数多くの研究で証明されています。
その一方で、スポーツ選手や消防士など非常に”激しい運動”を要求される職業もあり、その場合は疲労などから健康上メリットだけでなく、デメリットも発生させると考えられます。
ただ、”激しい運動”が健康リスクにどのような影響を与えるのかはよく分かっていません。
そこでPNNLの研究チームは、現役の消防士11名(男性)に協力してもらい、高強度トレーニングの直後に身体状態がどう変化するかを検証しました。
実験ではカリフォルニア州南部・サンタクラリタの丘陵地で行われ、消防士たちは防火服・ヘルメット・手袋・ゴーグル・懐中電灯など、消火活動をするときと同じ格好をします。
各人は最大20キロの重量を装着した状態で、太陽の照りつける丘陵地帯を45分間にわたりランニングさせられました。
トレーニング終了後、消防士たちはすぐさま医療用テントに直行し、血液・唾液・尿などの液体サンプルを採取されます(トレーニング前にも採取済み)。
そして研究者らは、液体サンプルに含まれる4700以上の分子(タンパク質・脂質・代謝産物)を詳しく調べ、トレーニング前後で身体状態を比較しました。
研究主任のクリスティン・バーナム=ジョンソン(Kristin Burnum-Johnson)氏は「激しい運動直後の疲労が身体に及ぼす影響の効果を知りたかった」と話します。
果たして、消防士たちの体にはどんな異変が起こっていたでしょうか?