湿疹の「かゆみ」のメカニズムは解明されていなかった
「かゆみ」とは、皮膚を引っかきたくなるような不快な感覚です。
そして湿疹のかゆみは、しばしば悪循環を引き起こします。
炎症部位をかくことで、皮膚はさらに傷つき、腫れ上がったり、ひび割れたりするのです
しかし、かゆみ自体は、体を守る防衛反応の1つだと考えられてきました。
例えば皮膚に異物が付着した場合、私たちはかゆみを感じることで異常を察知し、異物を取り除くことができます。
だからこそ、湿疹によって皮膚が炎症を起こすと、「その炎症(皮膚の異常)に応じてかゆみが生じる」と考えることができます。
そしてこれまでの研究では、湿疹のかゆみの主な原因は、炎症を引き起こす免疫細胞や、免疫細胞が分泌する炎症性分子にあると推測されてきました。
ただし原因やメカニズムを完全に解明するには至っておらず、研究者たちは依然として頭を悩ませています。
ところが今回、チウ氏ら研究チームが、かゆみの背後にあるメカニズムを特定することができました。