ADHD傾向のある人では時間の感覚が抜け落ちてしまう「時間盲」が起きる
ADHD傾向のある人では時間の感覚が抜け落ちてしまう「時間盲」が起きる / Credit: canva
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「頻繁に遅刻する」「締め切りを守れない」時間の経過が意識できない”時間盲”

2023.12.03 00:00:00 Sunday

私たちは音や光、振動など、環境のあらゆる信号を感じるのと同様に「時間の感覚」を持ち合わせています。

ヒトの脳は内外のさまざまな情報に基づいて、今が何時で、あれからどれくらいの時間が過ぎ、次の予定まで何時間くらいあるかを、ある程度正確に把握することができます。

この感覚をもとにして、私たちは仕事の作業配分を決めたり、待ち合わせの時間に合わせて準備や移動をするなど、スケジュール通りに動くことができます。

しかし世の中には、ぜんぜん時間を守れないという人がいます。

特にADHD(注意欠如・多動症)やその傾向が強い人では遅刻や締め切り超過などの問題が起きやすいと言われており、時間認識が欠如するこの現象は「時間盲(time blindness)」と呼ばれています。

では時間盲とは具体的にどのようにして起きるのでしょうか? またADHDの人々が時間盲を起こしやすいのはなぜなのでしょうか?

Time Blindness in ADHD https://www.verywellmind.com/causes-and-symptoms-of-time-blindness-in-adhd-5216523 How It Really Feels To Be Time-Blind With ADHD https://adhdhomestead.net/time-blindness-feels/
Clinical Implications of the Perception of Time in Attention Deficit Hyperactivity Disorder (ADHD): A Review https://doi.org/10.12659/MSM.914225 Time Processing, Interoception, and Insula Activation: A Mini-Review on Clinical Disorders https://doi.org/10.3389/fpsyg.2020.01893

時間が守れない人は「時間盲」が起きている

時間盲とは、頭の中で時間の経過を認識したり、測ったりすることができない状態を指します。

多くの人は時計を意識しなくても、出かける時間まであと何分あるか、着替えや準備にどれくらいかかるか、本を読んだりテレビを見ていて何十分経ったかが感覚的に分かるでしょう。

ところが一部の人では、こうした時間感覚が抜け落ちてしまって、経過した時間や進行中のタスクにかかっている時間が分からなくなると言われます。

具体的な例を挙げてみます。

最も大きな特徴は、時間の感覚を見失うことです。

例えば「お昼はいつ食べました?」とか「最後に旅行に行ったのはいつですか?」といった質問を受けると、それらの出来事がどれくらい前だったかが分からず、上手く答えられません。

また時間経過を体感で測ることも困難です。

9時30分に時計を確認し「30分だけ読書しよう」と本を読み始めて、「そろそろ時間かな」と思って時計を見ると12時を回っているということが頻繁にあります。

時間盲がADHDに見られる不注意や物忘れに繋がっている
時間盲がADHDに見られる不注意や物忘れに繋がっている / Credit:canva

米マサチューセッツ総合病院(MGH)のスティーヴン・ガンズ(Steven Gans)氏によると、こうした問題はADHDの人に多く「時間を意図的に無視しているのではなく、感覚的に忘れてしまう」点で共通しているといいます。

言い換えれば、あるタスクを始めると、それに集中したり夢中になりすぎるあまり、「何分くらい経ったか」という時間の意識がすっぽり抜け落ちてしまうのです。

そしてこうした時間盲が、ADHDの主症状として見られる不注意によるミスや物忘れに関連していると考えられています。

では、どうしてADHDでは時間の感覚が失われやすいのでしょうか?

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