ADHDで「時間盲」が起こる2つの原因
近年の研究で、ADHDの原因には前頭葉(※)の働きが生まれつき弱いこと、あるいは何らかの機能的な障害が起きることが関わっていると指摘されています。
(※ 注意・思考・感情のコントロールを司ったり、物事を整理・処理・実行する機能を担っている脳領域のこと)
そうした脳の問題が、次の2つの機能障害を起こすことで時間盲を誘発しているのではないかと考えられています。
1つは実行機能の障害です。
実行機能とは、あるタスクを実行するために必要な一連の脳機能を指します。
具体的には「タスクの計画を立てる → タスクを小分けして段取りを考える → その作業をスケジュール通りに進める → 修正点があればチェックし直す → 不必要な感情や欲求は制御する」などです。
しかしADHDの人は実行機能がうまく働かないため、タスクをいくつかの作業プロセスに小分けしたり、計画に沿って物事を進めることが難しくなります。
例えば、友人とお昼の12時に待ち合わせしているシチュエーションを考えてみましょう。
朝8時に起きたとすると、待ち合わせに間に合うように「準備」を始めます。
ところがADHDの人は「準備」というタスクを「朝ごはんを食べる」「シャワーを浴びる」「服を着替える」「タクシーを呼ぶ」といった作業に小分けして、計画することができません。
そのせいで時間の計算を誤り、待ち合わせ時間に遅刻する「時間盲」が起きてしまうのです。

もう1つはドーパミンの機能障害です。
ドーパミンとは神経伝達物質の一つで、集中力や意欲を高める作用があります。
ところがADHDではドーパミンの出方が非常に不安定になっていることが分かっています。
例えば、周囲から強制されるような宿題や作業をするときはドーパミンが出ないので、集中力を欠き、不注意や多動性の症状が出ます。
その一方で、ゲームや読書、テレビの視聴など自分の趣味や好きな作業をするときは、逆にドーパミンが出過ぎて、声をかけても聞こえなかったり、次の作業に移れなくなります。
これが時間感覚の喪失を引き起こしていると考えられるのです。
「時間盲」と上手く付き合うには?
時間盲は仕事にもプライベートにも多大な悪影響を及ぼし、周囲との人間関係だけでなく自尊心までも深く傷つけてしまいます。
しかしADHDの時間盲が、ここまでに述べたような脳の機能障害にあることを考えると、それを根本から治すことはできません。
それでも時間盲と上手く付き合いながら、身の周りの時間を管理していく方法ならあります。
特に有効なのは「タイマーの活用」です。
ADHDの時間盲の特徴は、タスクに夢中になりすぎるあまり、時間の存在を忘れてしまうことでした。
そこでタイマーを有効に活用することが推奨されます。
例えば、ある作業を10時から10時半までに終わらせる必要があるなら30分タイマーをセットすることで、意識を現実に引き戻し、時間の超過を防ぐことができます。

それから「日々のルーティン化」も有効でしょう。
1日のやるべきことをリストアップして、それをする時間帯を細かく設定し習慣化するのです。
具体的には、朝7時〜7時30分:朝食、7時30〜8時:シャワー・着替え、8時〜8時30分:通勤… というように。
このルーティンが身に付けば、時間の超過も自然となくなっていき、不注意によるミスや物忘れを大幅に減らすことができるでしょう。
またADHDについては、診断されていなくてもその傾向を持つ人は社会に多く存在します。
そうした人たちは、単に時間が守れない、時間を意図的に無視しているように見えるかもしれません。
しかし、これは本人にもどうにもできない脳の問題である可能性が高いため、今回の事実を知った人は、上手く時間を守れない人たちには「時間盲」が起きている可能性も考慮し、その特性を理解して付き合っていくことが大切です。
ルーティンを身につけるって発想がもう非ADHDだなって感じなんだけどw
それができてたら苦労しないって
毎日は違うものなのに、同じ時間に同じ事できるわけない
できるとして、そんな毎日同じ日々にADHDが耐えられるわけない
そもそも自分の身を擦り減らしてまで毎日同じ時間に同じ事をする絶対的必要性がわからない
何週間も風呂入れないとか遅刻が数時間レベルなら矯正する価値あるとは思うけど
本当にそれです
感覚過敏があるとそもそもタイマーの音がとてつもないストレスですし、タイマー鳴らしても没入していることから離れることが困難
ドパミン量極めて少ないとルーティンも出来ず過集中も発揮できず廃人みたいになる
解決方法系で役に立ったことは一度もないです
わかる、すごくわかる。ルーチンとか無理!
ルーティンを設けても、それぞれをやってる時間でいつの間にか時間を忘れてますよね。アラーム設定しても、そもそもの目的のことが出来なくなってたりする。
何故かというと、何かをやってる途中に最近うっかりやり忘れてた重要な用事を思い出したりして本来の予定がこなせなくなったりする。
そんな毎日は定型発達の人には想像もつかないのでしょうね。
ルーチンを身に着けにくいが我々こそルーチンを身に着けなけらばならないという…ADHDの悲しい宿命
ワーキングメモリが少ないというハンデを補うにはルーチン化して、空いたメモリを大切なコトに振るしかないのだ
…と理屈は分かってても精神的苦痛が強いからルーチン化を避けていたんだが、死ぬ気で色々ルーチン化したら記事が言うように時間盲が減って、遅刻頻度と反比例して人からの信頼度が上がっていったぞ!
ただ、コンサータのキツイ副作用に耐えつつ脳を前頭葉をブーストして、スマホのリマインダー・アラーム・カレンダー活用して、常時スマートウオッチとイヤホンを付けてスマホの通知を振動と音声で聞き続ける…という端から見たらディストピアのような生活を続けないとルーチンが壊れるけど…まぁ、足の無い人が義足を着けるようなものだよね
ADHDでない人にとっても時間に縛られた生活はストレスフルなものなので、それ自体やめる方向にシフトしたらいいと思いますけどね。
昔と違って太陽が沈んだら物理的に活動できないという状況ではないのですから。