空を飛んで消火する「ドラゴンファイヤーファイター」
ドラゴンファイヤーファイターは、胴体と頭のユニットをホースで繋いだ構造になっており、各ユニットには4つの水噴射ノズルがあります。
ロボットは、ノズルから下方向に水を噴射することで飛ぶことができ、ノズルの微妙な調整により、暴れまわることなく空中でもバランスを保てます。
消防車と繋げたロボットのノズルは、最大1メガパスカルの圧力と毎秒6.6リットルの速さで水を噴射することが可能であり、消火ポイントまで飛んでいって迅速に火を消すことができます。
またロボットの頭部カメラには、通常の視覚と熱視覚の両方が備わっており、オペレーターがロボット視点で周囲を確認したり、火元を探したりするのに役立ちます。
以下はデモンストレーション中のロボット視点の映像です。
水しぶきで視界は悪いものの、的確に火元を見つけて消火することができていますね。
研究チームはこれまでの開発期間で、ロボットに備わっているホースや電気ケーブルの耐火性、機体の防水性、噴射する水流の調整など、様々な点を改良してきました。
とはいえ、さらなる開発を行う必要があり、彼らによると「実際の消防活動で使用するには、あと10年かかる」ようです。
主な課題点は、「ロボットの長さ」です。
現在のドラゴンファイヤーファイターの長さは4mなので、確かに、実践で使うには短すぎるように思えますね。
チームは将来的に、ドラゴンファイヤーファイターを10m以上の長さにすることを目標にしています。
もしその目標が現実になったなら、私たちはまさに「空を昇る龍」を見ることになるでしょう。
消防士たちを危険にさらすことなく、建物の階上へと昇っていき、体と口から水を噴射して火を消してくれるのです。
ちなみに、ドラゴンファイヤーファイターの設計はオープンサイエンスとして公開されているため、世界中の研究者たちが独自の開発に利用できます。
もしかしたら将来、世界中で、火を消す様々なドラゴンが見られるようになるかもしれません。