得体の知れない不安感が生じる脳領域を特定!人為的な操作で不安を打ち消すことにも成功
得体の知れない不安感が生じる脳領域を特定!人為的な操作で不安を打ち消すことにも成功 / Credit: canva
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「漠然とした不安」が生じる脳領域を特定した研究!人為的操作で不安を打ち消すことも (3/3)

2024.02.18 00:00:00 Sunday

前ページ不安感を引き起こす脳領域を特定!

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不安感を人為的に抑制することに成功

これを踏まえてチームは、人為的な方法で不安感を逆に抑制できないかチャレンジすることに。

ガラス玉の不安環境にあるマウスを調べてみると、手綱核への脳血流量が増大し、アストロサイト内のpH(水素イオン指数)が酸性化していることが分かりました。

pHは0~14の数値で表され、pH7を中性とし、7より小さい場合が酸性、大きい場合がアルカリ性となります。

つまり、不安感が生じているマウスのアストロサイトは「酸性化」した状態にあるということです。

だとすれば、アストロサイトを人為的にアルカリ化することで、不安感にともなう酸性化を打ち消し、抗不安作用が生まれるのではないでしょうか?

そこでチームは光遺伝学という技法を用い、光の照射で細胞の遺伝子発現を制御できる遺伝子改変マウスを作り、光刺激でアストロサイトの細胞内をアルカリ化させてみました。

最初にマウスをガラス玉ケージに入れて、不安感を示すシータ波の増強を確認したところで、光刺激を与えてアルカリ化させます。

その結果、手綱核のシータ波が減弱するとともに、マウスはガラス玉で満たされた明るい部屋にも平気で居座るようになったのです。

アストロサイトをアルカリ化させるとマウスの不安感が消失した!
アストロサイトをアルカリ化させるとマウスの不安感が消失した! / Credit: 東北大学 – 説明のつかない不安感の正体 手綱核アストロサイトによる神経活動制御の解明(2024)

以上の結果から、不安を誘発する環境にあっても人為的な操作を加えれば、不安感を抑制できることが実証されました。

本研究の成果は不安障害の新たな治療戦略を確立する上で、重要なマイルストーンとなることが期待されます。

作家の芥川龍之介は死後見つかった手記の中で自殺理由について、次のような文章を残しています。

誰もまだ自殺者自身の心理をありのままに書いたものはない。君は新聞の三面記事などに生活難とか、病苦とか、或は又精神的苦痛とか、いろいろの自殺の動機を発見するであらう。しかし僕の経験によれば、それは動機の全部ではない。のみならず大抵は動機に至る道程を示してゐるだけである。それは我々の行為するやうに複雑な動機を含んでゐる。が、少くとも僕の場合は唯ぼんやりした不安である。何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安である。
或旧友へ送る手記 芥川龍之介

今回の研究は、漠然とした不安を抱きやすい現代社会において、不安とうまく付き合っていく画期的な方法を見つけるきっかけになるかもしれません。

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「漠然とした不安」が生じる脳領域を特定した研究!人為的操作で不安を打ち消すことも (3/3)のコメント

HELP

日本人の一部の人達は、エレクトロニックハラスメント、テクノロジー犯罪、集団ストーカーと呼称される遠隔ハラスメント虐待拷問被害に遭っています。

国内では、被害を訴える人達を精神病扱いし、声を揉み消し、人権蹂躙が継続されています。

被害者たちは無辜の市民であり、素人です。「エリート」積年のハイテクノロジー攻撃に対抗出来ません。

また、攻撃から逃れたい一心で試行錯誤し、効果があったなかったと誤情報を発信してしまいます。チップのあるなしに関してもそうです。

ド素人ゆえ、学問や科学的根拠に基づいた考えからブレずにいることが、出来ません。

識者等は理解しているであろうに、被害者を救済する方向には、動き出してくれやせん。言及も発信もしてくれません。完全無視です。

どうしたら、救われますか?情報統制により無知なままでいる国民が、どうしたら気づく機会が得られるでしょう。

    ゲスト

    役所に行って、保健師と話をしてくれ。対応してもらえるから。まずは行政に頼ろう。話を聞いてもらえる人に巡り合えるまでまで粘ってくれ。
    君は間違いなく第三者の介入と助けが必要な人間だ。君が本当の救済が得られることを願っているよ。

ゲスト

しかしながら芥川さんの作品はその不安感があったからこそあれだけの出来だったのでしょうから、彼から不安を取り除いてしまったらきっと作品の出来は落ちるでしょうし、最悪の場合作品書くことやめたかもしれないですね。
めちゃくちゃ明るい芥川さんの作品も見てみたくはありますが。

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