観測以来35年以上謎だった超新星「SN 1987A」の内部
超新星爆発とは、質量の大きな星が最後を迎えて崩壊する時に発生する現象です。
太陽質量の約8倍以上の星は、内部で核融合(外向きの圧力を生む)の材料となる物質を使い果たすと、外向きの圧力が、内向きの重力に対抗できなくなります。
これにより、重力に耐えられなくなった星は、一気に潰れ、その反動で大爆発が生じるのです。
そしてこの超新星爆発によって輝く天体が、「超新星」と呼ばれます。
大マゼラン雲内で発見された「SN 1987A」もその1つであり、1987年に初めて観測されて以来、天文学者たちに注目されてきました。
ちなみに超新星は、その爆発によって外側の物質が宇宙に吹き飛ばされますが、星の中心部は重力によって内側へと押しつぶされ、超高密度の物体になります。
この天体が何になるかは星の初期質量によって決まっており、計算上では、その星の重さが太陽の8~30倍であれば中性子星、それ以上だとブラックホールになると考えられています。
SN 1987Aの超新星爆発を起こした元の恒星は、太陽質量の20倍ほどだったことが分かっています。
他の分析なども合わせて、天文学者たちは、「1987年の爆発の後に中性子星ができる」と予測していました。
ところが35年間、その決定的な証拠を見つけることはできていませんでした。
爆発後に発生した大量の塵が内部の物体を覆い隠していたため、その正体に確証が持てなかったのです。
しかし最近、フランソン氏ら研究チームによって事態に進展がありました。