ポテチやフライドポテトは「発がん性物質」の温床⁈
ジャガイモを主原料とするポテトチップスは世界中で大人気のスナックです。
中でも日本は味の種類や新商品の発売数が世界に比べて圧倒的に多く、ポテトチップス大国となっています。
「週に1袋は絶対に食べる」という方も少なくないでしょう。
その一方で、ポテトチップスは健康面で大いに懸念されている食品でもあります。
特に問題視されているのは、原材料のジャガイモが冷蔵保存されたときに産生する還元糖です。
ジャガイモは一年中いつでも栽培できるわけではないので、スナックメーカーはポテチを安定して作り続けるために大量のジャガイモを冷蔵保存しておかなければなりません。
ところがジャガイモを冷蔵庫などの低温下に置くと、デンプンを糖に変換する「低温糖化(Low-temperature sweetning)」というメカニズムが働きます。
こうして作られた還元糖は、揚げる・焼く・焙るなどの高温での加熱(120℃以上)による化学反応で、発がん性物質である「アクリルアミド」となるのです。
そのため、ポテトチップスやフライドポテトには必然的に大量のアクリルアミドが含まれることになります。
また還元糖は高温加熱にともなうメイラード反応によって茶褐色の色素を生成するために、苦味や焦げ目を生じさせます。
開封したポテチが茶色かったり焦げ目があるのはアクリルアミドが蓄積している証拠なので避けるべきでしょう。
しかしスナック界の王様であるポテトチップスを今後一切食べないようにするのは無理難題というもの。
そこで研究チームは安全なポテチを作るために、低温糖化を起こさないジャガイモ作りに挑戦しました。