ファーストフード店やバーが密集する地域に住んでいる人は心不全リスクが16%も高まる
今回の研究では、イギリスの長期大規模バイオバンク研究「UKバイオバンク」のデータが用いられています。
イギリスの成人50万人以上(平均56歳)の健康情報と食環境を分析したのです。
食環境に関しては、近所ですぐに食事できる店として、①パブまたはバー、②レストランまたはカフェテリア、③ファーストフード店の3つのカテゴリーを分析しました。
そして対象者の家からそれらの店までどれほどの距離があるのか調べました。
また対象者が住んでいる地域の店舗密度(1km2あたりの店の数)も分析しました。
さらに、12年間の追跡調査によって明らかになった約1万3000件の心不全の症例とそれら食環境データを照らし合わせました。
その結果、すぐに食事できる店が1km2あたり11件以上ある「高密度な地域」に住む人(全体の約20%)は、そうでない人と比較して、心不全発症のリスクが16%高いと分かりました。
また店舗のタイプ別分析では、①パブやバー、③ファーストフード店 が心不全リスクを高めると判明しました。
店舗別に分析するとパブやバーが密集しているエリアに住む人は心不全リスクが14%も高く、ファーストフード店が密集している地域に住む人は心不全リスクが12%も高かったのです。
パブやバーでは、お酒だけでなく高カロリーの軽食も提供されるため、その両方が健康に悪影響を与える恐れがあります。
居酒屋で私たちが何を飲み、何を食べているかを考えると、それらが心不全のリスクを高めることは容易に想像できますね。
そしてファーストフード店では、ハンバーガーやピザ、炭酸ジュースなどがすぐに提供されます。
それらの店が密集している地域に住む人は、ジャンクフードを食べる頻度が自然と高まってしまい、その食習慣が心不全リスクをも高めてしまうのでしょう。