アレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎
アレルギー性鼻炎(AR:allergic rhinitis)とは、鼻づまりやくしゃみ、透明のサラサラした鼻水を特徴とするアレルギー疾患です。
原因としては花粉が多く、ダニ、ハウスダスト、カビなどでも生じます。
一方、慢性副鼻腔炎(CRS:chronic rhinosinusitis)は、副鼻腔に炎症ができる病気です。
鼻づまり、粘り気のある鼻水、嗅覚低下、頭が重い、鼻水が喉に落ちることによる痰や咳などを特徴としており、「蓄膿症」という俗称で呼ばれることも多いです。
原因の多くはウイルス感染だと言われており、鼻の構造によっては慢性副鼻腔炎になりやすい人もいるのだとか。
このように、アレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎は異なる疾患であるものの、「鼻づまり」「鼻水が出る」など、重複する症状が見られるため、患者が自分の判断だけで見極めるのは困難です。
またセダガット氏ら研究チームによると、「医師でもアレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎を区別するのが難しい場合がある」とのこと。
それでも、「アレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎には、多くの点で異なる治療法があります」と続けており、この2つを正しく区別する必要性を強調しています。
こうした背景から、今回セダガット氏ら研究チームは、患者の主張と実際の診断の違いについて調査することにしました。