太陽系外から飛来した「恒星間天体」
太陽系外から飛来した「恒星間天体」が初めて観測されたのは、2017年10月のことです。
この天体は「オウムアムア(ハワイ語で‘遠方からの初めての使者’を意味する)」と呼ばれており、地球から2400万kmのところを通過しました。
発見された時には、地球のそばを通ってから既に5日経った後だったため、天文学者たちは地球から離れているオウムアムアしか観測できず、その正体は謎に包まれたままです。
当時は、「オウムアムアは宇宙人の探査機だ」などという主張もあったようです。
とはいえ、その後の研究により、「オウムアムアは天然起源の天体(太陽系外の惑星の欠片など)である」と報告され、その意見が広く受け入れられています。
そして2019年には、2番目の恒星間天体として「ボリソフ彗星」が観測されましたが、こちらも地球に来ることはありませんでした。
しかし、同じ2019年には、「過去に地球へと飛来した物体が、実は恒星間天体だった」と判明しました。
それは2014年、パプアニューギニア上空で火球として観測された天体「CNEOS 2014-01-08(別名:IM1)」です。
この天体は、2022年4月、アメリカ宇宙コマンド(USSC)により、恒星間天体の可能性があると正式に確認されました。
つまりIM1は、人類が観測した3番目の恒星間天体であり、「観測史上初めて地球に衝突した恒星間天体」なのです。
IM1は、太陽系外からの未知の「贈り物」とも言えますね。多くの人々がIM1に関心を持っているのも納得できます。
その後、ハーバード大学の天文学者アヴィ・ローブ氏ら研究チームのプロジェクトによって、パプアニューギニアの上空で爆散し、海に沈んでいった「IM1の欠片」の回収が試みられました。
そして彼らは、IM1が大気圏に入った際の振動から、欠片が落ちた場所を特定し、「恒星間天体の欠片を発見した」と報告しています。
これが本当なら、人類は「太陽系外の物質を分析できる」ことになります。
しかし、ローブ氏らの報告に納得していない科学者は多く、「ローブ氏の勘違いだ」と指摘する声も上がっています。