様々なサイズ・比率の頭を持つ動物たち
またメデイロス氏は、他の候補として、ハエの一種である「Teleopsis dalmanni」を挙げました。
このハエは、眼柄(がんぺい)と呼ばれる頭部とは離れた眼を持っており、この構造ゆえ、頭の幅が広くなります。
メデイロス氏によると、頭の幅が体長の2倍になる個体も存在するようです。
そしてTeleopsis dalmanniのオスは、他のオスとの競争において、この離れた眼を「自分の体を相手よりも大きく見せる」のに役立てているようです。
ちなみに、比率ではなく、単純に頭のサイズだけで考えると、最も大きな頭を持つ動物には、世界最大の動物「シロナガスクジラ(学名:Balaenoptera musculus)」が挙げられそうです。
一般的な体長は20~26mだと言われており、これまでに確認された最大の個体は、約30mにもなります。
彼らは当然大きな頭部を持っており、そのサイズは5.5mだと言われています。比率としては、「頭部:全長 = 1:5」になります。
また、体に比べて頭が大きな動物が分かると、その逆の存在も気になるものです。
メデイロス氏はその答えを挙げていませんが、「最も小顔な動物」には、首の長い動物たちが候補に挙がりそうです。
例えば、キリンなどは、胴体に比べて非常に小さな頭を持っています。
キリンは12頭身とも言われることがあり、その場合の比率は「頭部:全長 = 1:12」になりますね。
また恐竜を含めるなら、首の長いブラキオサウルスなども候補に挙がることでしょう。
彼らは頭が小さいからこそ、長い首の先端に頭部が付いていても重くなり過ぎず、自由に頭を振ることができるのです。
そして頭のサイズを活用しているのは、小顔な動物だけではありません。
頭の比率が大きな動物たちも、その大きな頭部(もしくはその一部)を競争や摂食、また繁殖に役立てています。
動物たちは、頭のサイズと比率は非常にバリエーションに富んでいますが、それは彼らの生存戦力と結びついています。
頭の比率に目を向け、なぜ頭がそんなサイズになったのかということを考えてみるのも、生物を観察するときの一つの楽しみになるかもしれません。