・天王星は、約40億年前に地球の2倍ほどのサイズの物体と「衝突」することで自転軸が「横倒し」になった
・その「衝突」は自転軸だけでなく、天王星の「環」や「衛生」の形成についても影響を与えた
地球など他の太陽系惑星と比べ、「自転軸」が顕著に「横倒し」になっている天王星。その理由についてはこれまで様々な仮説が唱えられてきましたが、高解像度のシミュレーションを用いることにより、ダラム大学の天文学者が率いる研究チームがその理由をついに突き止めました。
シミュレーションによると、天王星は数十億年前に地球のおよそ2倍ほどのサイズの巨大な物体と衝突しており、それが自転軸が大きく傾いた原因となったようです。
Consequences of Giant Impacts on Early Uranus for Rotation, Internal Structure, Debris, and Atmospheric Erosion
http://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/aac725/meta
天王星の自転軸の傾きについては、これまでも「巨大な物体との衝突」が有力な説として唱えられてきましたが、今回の研究はその仮説が正しかったことを証明するものとなります。
衝突した物体は、岩と氷からなる「原始惑星」であると考えられます。時期としては、太陽系が形成されていった約40億年前の出来事です。
シミュレーションはさらに、衝突によって散らばった物体の破片が、天王星の核から発せられる熱を吸収するための「殻」を形作っていることを示唆しています。これにより、気温が−216℃にまで下がることもある「極寒」といった天王星の特徴にも説明がつきます。
また、研究者たちはこの「衝突」が、天王星の「環」や「衛生」を形作る上でも大きな役割を果たした可能性があることを示唆しています。つまり、衝突によって宇宙空間に投げ出された天王星の岩や氷が融合することで、天王星の周りをまわる「環」や「衛生」となったと考えられるのです。
研究を率いたダラム大学の Jacob Kegerreis博士は、「天王星の自転軸が変わったのは、この衝突が原因であることはほぼ明らかです。しかし、それがどのように起こったのかについては、まだ多くのことが解明されていません」と述べ、さらなる研究の必要性を語っています。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/14670
via: dailymail / translated & text by なかしー
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