「ありえない」発見に、天文学者は驚きを隠しきれません。
理論上存在するはずがない「モンスター級」の惑星が、チリのアタカマ砂漠に拠点を置く太陽系外惑星探査プロジェクト「次世代トランジットサーベイ」(NGTS: the Next Generation Transit Survey)によって発見されました。
本来、主星の半径と質量は太陽の半分程度で、小型星では周囲に木星級の巨大惑星を形成できないはずなのです。
その謎の惑星の正体は、どうやら地球から遙か遠く離れた、低光度の小型星を周回する巨大惑星だといいます。
モンスター級惑星!その名はNGTS-1b
これまで、「小型星は理論上、岩石惑星を形成できても『木星級の巨大惑星を形成できる程の素材物質は結集しきれない』」と言われていました。
本来惑星は、銀河での大規模爆発の残滓であるガスと塵が原始星の周囲を円盤状に渦巻き、それが凝集して天体になると考えられています。
今回惑星を発見したNGTSは、そのプロジェクト名から、小型星を「NGTS-1」、巨大惑星を「NGTS-1b」と名付けました。「NGTS-1b」の「b」は、それが小型星の第1惑星であることを意味します。
探査では、ずらりと並べられた12台の望遠鏡によって夜空を丹念に調べ、星が発する光の減衰を確認しました。地球から見える星の減光は、その星の前を惑星が移動していることを示すからです。
この巨大惑星の半径は主星の約4分の1もあります。これは主星に対して非常に大きいと言えます。例えば、太陽系で1番大きい木星の半径は太陽の約10分の1しかないのです。