角の生えた海のブタ?珍妙な深海モンスターを大量発見!
深海世界では、私たちの常識からは大きくかけ離れた姿をした生物たちがよく見つかります。
今回の調査でも期待を上回る面白い生物たちが確認されました。
例えば、こちらのシースルーの生き物。
これはナマコ(sea cucumber)と見られていますが、普通のナマコと違って全身が透明で、中の臓器がスケスケになっていました。
新種の可能性があり、今のところは「ユニカンバー(unicumber)」という愛称が付けられています。
それからこちら。
これは「ウデボソヒトデ目(Brisingida)」の一種と見られるタコ足状の生物です。
中央の白い茎状の海綿生物の上に乗っかって、上から落ちてくる餌を待ち構えているところだといいます。
また、白くて淡いエビのような生物も見つかりました。
これは「タナイス目(Tanaidacea)」というフクロエビ上目に含まれる甲殻類の一種とされています。
タナイス目は小型だと数ミリ〜数センチ程度、大きくても10センチ程度しかない非常に小さな生物です。
脊椎動物の魚類の姿も確認されました。
こちらは「ソコダラ(rattail fish)」という深海に生息する魚で、水深4000〜5000メートル級の深さで生きられる脊椎動物としては数少ない一つだといいます。
そして今回の大目玉と考えられるのが、下に挙げる珍妙な深海生物です。
これは”海のブタ(sea pig)”の愛称で知られる「センジュナマコ」の一種で、その風変わりな見た目から新種の可能性が高いと予想されています。
ピンク色の肌にシカ角のような突起、ずんぐりとした短い足が無数に生えており、それらをピョコピョコと動かして深海底を歩きます。
研究者らは、バービー人形のピンク色と愛称の”海のブタ”をもじって、「バービーピッグ(Barbie Pig)」とニックネームを付けました。
チームは現在、これらの標本を実験室に持ち帰り、形態や遺伝子分析および文献調査を合わせて、新種であるかどうかを調べているところです。
調査に参加した海洋生物学者のリーガン・ドレナン(Regen Drennan)氏は「今回見つかった生物の多くは科学的に未記載の新種となるでしょう」と話しました。
深海の世界はまだ8割以上が未調査のまま残されています。
今後も地球のあらゆる深海底で未知のモンスターたちが続々と見つかることでしょう。