頭部移植で双頭マウスを作る
2015年に発表された研究では、より洗練された方法が使われました。
以前の研究では、体を提供するマウスは脳を前後で切断され、体には脳幹を中心とした僅かな脳しか残されませんでした。
しかし新たな研究ではこの点が改良され、両方の脳が無傷のままであり、血管の結合場所も工夫が行われました。

人間やマウスの体には首の左側と右側に頸動脈と経静脈のセットがそれぞれ存在しています。
実験ではこの2セットを体を提供するマウスと頭部を提供するマウスの両方に割り振ることで、両方のマウス脳の生存を目指しました。

結果、12 対のマウスが 24 時間以上生存していることが確認できました。
また移植後 1.5 ~ 2 時間以内に、両方のマウスが意識を取り戻し、まばたきやひげの動きなど、脳神経反射が活性化されました。

さらに手術前と手術後で脳波と心電図を調べたところ以前の研究よりもより正常な電気生理学的活動を示していました。
両方のマウスの脳を無傷にしたまま、頸動脈と経静脈を分け合うというアイディアが上手く機能していることを示しています。