100年前の日本の鍛造技術を応用して「究極の金箔」の単離に成功
研究チームは、「Ti 3 AuC 2」から金の層を傷つけずに、チタン炭化物だけを取り除く方法を探しました。
その結果採用されたのが、「村上試薬」と呼ばれる溶液です。これは1918年に東北大学の村上武次郎(むらかみ たけじろう)氏が発明した「フェリシアン化カリウム(赤血塩)溶液」です。
この村上試薬は、金属に含まれる炭化物をその組成に応じて明るいオレンジ色に染める腐食液で、これにより合金の組成や不純物を顕微鏡で検証しやすくします。
またこの試薬は腐食液なので、金属に色を付けるだけでなく、金属表面の物質を溶解・除去することも可能です。
そこで研究チームは、村上試薬をさまざまな濃度とエッチング時間で試し金のシートだけを取り出す実験をしました。
「1日、1週間、1か月、数か月とさまざまな時間でエッチング(腐食で表面を溶かすこと)を試したところ、低い濃度で長時間エッチングするのが有効だとわかりました。ただそれでもまだ十分ではありませんでした」
柏屋氏はそのように実験の苦労を語っています。
特にこの工程では光が当たると金を溶かしてしまうシアン化物が発生したため、暗闇の中で行う必要がありました。こうした様々な苦労の果てに、チームは「Ti 3 AuC 2」の金を溶かさず、チタン化合物だけを除去することに成功したのです。
しかし邪魔な物質を除去して、金の層だけを取り出せても、先程述べた通り、金の2次元シートは丸まってしまうという問題が残ります。
そこでチームは、村上試薬に界面活性剤を添加しました。これにより取り出した金の2次元シートが丸まるのを防ぎ、安定させることに成功したのです。
こうして彼らは最初の偶然とその後の試行錯誤の末、金の原子1個分の厚さしかない2次元シート「ゴールディン」の単離に世界で初めて成功したのです。
ゴールディンは金箔の500分の1ほどの厚さであり、目で見ることはできないサイズのものですが超極薄の「究極の金箔」と言えるでしょう。
では、そんなゴールディンにはどのようなことが期待されるのでしょうか。
ゴールディンの特性に関してはまだ未解明な部分が多いものの、柏屋氏によると、水素を生成する触媒としての可能性や、従来の金よりも高い電気伝導性などが期待されるという。
さらにゴールディンが非常に薄いことを利用して、貴重な金の使用量を大幅に削減できる可能性があります。
今後、究極の金箔であるゴールディンが様々な場面で活躍していくのを見ることになるかもしれません。
グラフェンの電気の伝導性が銅の10倍の根拠を教えて下さい。
熱伝導性なら理解できるのですが。
銅の電気伝導率が43.5~62.5×10^6と書か、グラフェンが7.5×10^7S/mと書かれているものなどを見て勘違いされたのではないでしょうか。
勘違いでしょうね。
この金箔食べたらどんな感じか知りたい
金沢で、金箔の乗ったソフトクリームを食べたことがある。金の味しなかった。多分此れも味しないかも。もしかしたら、究極の味覚を持っている人なら、味を感じるかもしれない。
フリー素材画像に見えるけど、実際の研究者なの、ちょっとおもしろい。
というか今までの記事も実際の写真だったのかな・・・
言われて気付いた。広告多いからか俺もフリー素材使ってる関係ない写真だと勘違いしてた。原子一個分の厚みしかない金箔の写真に期待しすぎてページ捲る指が早くなったのかも。まさかそれが「目に見えないもの」だとは思わなかったし
食えるのか?
見えるのか?
使えるのか?
単なる炭素の結合結果だから
持ち運びも困難だろうが…
金の使用量を減らすことができるなら金の価格が下がりそう
伝導率が銅の10倍とはどういういみ?
そのままの意味で、熱や電気を銅の10倍伝えやすいってことでしょう。
K=J/Rcの公式に当てはめて計算した時の値が約10倍なのかもしれませんね。by中学生
金の量は、金箔の500分の1に出来ても、
手間を考えると、コストは500倍するかも。