寝不足だと道に迷いやすくなる?
睡眠が大事であることはもはや誰もが知っている事実です。
十分な睡眠時間は、心と体の健康や全体的な生活の質を維持する上で絶対に欠かせません。
睡眠は体の修復や免疫系の強化、食欲や成長をコントロールするホルモンの調節などに重要な役割を果たしています。
また日中に起きた出来事の情報を処理し、その記憶を脳に定着させ、学習能力、注意力、問題解決などの認知機能を高める働きもしています。
反対に睡眠の質が低下したり、量が十分でないと、認知機能の低下が見られたり、心臓病、糖尿病、肥満、うつ病といった様々な疾患の発症リスクが高まることが研究で証明されています。
さらに睡眠不足の人は情緒不安定になりやすく、勉学や仕事の生産性が落ちて、社会的なコミュニケーション能力も低下することがわかっています。
これと別に、睡眠の質や量の低下は「ナビゲーション能力の低下」と関係していることが以前の研究で示唆されていました。
ナビゲーション能力とは、自分と周囲の空間の位置関係を把握し、ある地点から目的地まで移動する能力を指します。
これが優れている人は、初めて来た複雑な道でも地図を見るだけで難なく目的地まで辿り着くことが可能です。
他方でナビゲーション能力が低いと、自分が地図上のどこにいるのかがよくわからなかったり、道に迷いやすくなります。
そこで研究チームは今回、睡眠不足がナビゲーション能力に及ぼす影響を明らかにするべく、海洋冒険ゲーム「SEA HERO QUEST」を使った実験を行いました。