腎臓移植の「真の先駆者」が亡くなる
「遺伝子改変したブタの臓器を人間に移植する」という取り組みは以前から行われてきました。
例えば、2022年1月には、ブタの心臓が当時57歳だったある男性に移植されました。
手術は見事成功し、その後1カ月間は安定して心臓が機能したようです。
ところが術後2カ月後、残念ながら彼は亡くなってしまいました。
それでも医者や患者たちは、挑戦することを諦めていません。
2024年3月16日には、マサチューセッツ総合病院(MGH)の移植チームによって、遺伝子改変したブタの腎臓が、62歳のリック・ストレイマン氏に移植されたのです。
手術は無事成功し、ストレイマン氏は、手術からわずか数日後には歩くことができました。
しかも約2年間は腎臓の機能が上手く機能するだろうと推測されていました。
彼は、これまで週3回受けていた透析療法をやめることができたのです。
しかし、そんな喜ばしい報告から約2カ月後、5月11日にMGHは、ストレイマン氏が亡くなったことを報告しました。
死因はまだ明らかにされていませんが、医療チームは、「死因は腎不全ではない」と述べています。
今回の件に関してストレイマン氏の家族は、次のように述べています。
「私たち家族は、愛するリックの突然の死に深い悲しみを感じています。
しかし、彼が多くの人にインスピレーションを与えたことを知って、とても慰められています。
移植を主導した医師たちの多大な努力のおかげで、私たち家族はリックと7週間一緒に過ごすことができました。
その間に作った思い出は、私たちの心の中に永遠に残るでしょう」
実際、ストレイマン氏は、手術を受けた理由の1つとして、「移植手術を必要とする何千人もの人々に希望を与えるためだった」と述べていました。
また今回、遺伝子改変したブタの腎臓を用意したバイテクノロジー企業「eGenesis」は、ストレイマン氏に敬意を表明し、「ストレイマン氏は真の先駆者でした」と語っています。
ストレイマン氏と医療チームの挑戦は、多くの人を救うかもしれないこの新しい医療分野を、また一歩前進させました。
「死因は腎不全ではない」だけではモヤモヤが残りますね。
腎不全ではないけれども腎移植が原因の死亡という可能性も残るし、移植が原因でないならはっきり死因を明示してほしいですね。
真の死因は何だったんだ…
でも知らせられない内容だったんじゃない?