食事記録がダイエット効果に繋がる
今回発表された研究は、ロス准教授らが以前に行った介入実験のデータを二次分析したものです。
ということで、まずは介入実験の結果を見ていきます。
この介入実験では、ある医療法人の従業員またはその家族75名(BMIが25以上)を対象として、インターネットベースの減量プログラムを3カ月間行っています。
減量プログラムでは、参加者は毎週、15分の映像講義を通じてダイエットに有効なテクニックを学んだと同時に、体重や摂取カロリー、運動量などの自己記録(セルフモニタリング)をするように指示されました。
そのプログラムの結果、参加者は3カ月で平均5.8kg(6.4%)の体重減を達成しました。
しかし、5%以上体重を減らした人は全体の60%にとどまり、減量の幅には個人差がありました。
興味深いことに、セルフモニタリングを頻繁に行った参加者ほど、より大きな体重減少を達成していたことが明らかになりました。
「セルフモニタリングの頻度が多いほど体重減少が大きい」という結果は、他の研究グループによっても確認されており、日常的なセルフモニタリングの実践は、自分自身を見つめることが行動変容につながるという自己調整理論に基づいています。
自分の食事や運動量を見直すこと、そしてそれらが体重の変化とどのように関連しているのかを理解することで、自分の行動を客観的に評価し、改善へと導くことができるのです。