黒船と一緒に日本にやってきた西洋料理
日本が幕末に開国すると、開港された港町には多くの外国人が訪れるようになりました。そうした場所にある料理店では、外国人向けに西洋料理を提供するようになったのです。
例えば長崎では外国人専用の西洋料理店が3店ほどあり、他の港町にも多くの西洋料理店が開店しました。
やがて時代が進むと港町以外にも西洋料理を食べられる店が増えていき、1868年(明治元年)には日本人が経営する初めての本格的な外国人専用ホテル「築地ホテル館」が開業し、そこではフランス人シェフがフランス料理を振舞っていました。
明治時代に入ると西洋料理店の数は増えていき、1900年ごろには東京だけで40件近くの西洋料理店があったのです。
しかしこういった料理店は日本を訪れている外国人向けのものということもあって価格は高く、西洋料理は一般庶民にあまりなじみのないものでした。
もちろん時代が進むにつれて日本人の中でも華族や富裕層などといった人々は西洋料理を味わうようになったものの、先述した事情から食習慣や味付けが外国人向けということもあり、あくまで異文化として扱われていたのです。
しかし、これらの西洋料理は大正時代に入って、一気に日本人好みにアレンジされていき、代表的な日本料理になっていくのです。