牛さんは圧倒的に大きいため人間のオサワリをあまり気にしない
牛と人間の交流は人間にどのような効果を与え、牛にストレスはあるのか?
調査にあたっては11人の被験者が集められ、1人あたり最低でも45分以上の交流が行われました。
実験に使われた牛は去勢された2頭のオス牛であり、人間との拘留中は自由に動けるようにしました。
また被験者たちは牛の写真を撮ったり、牛たちと物理的に接触することができました。
結果、ほとんどの被験者たちにとって牛を抱くことに精神的なメリットがあることが示されました。
また被験者たちは実験中に、牛たちから攻撃を受けなかったと報告しています。
牛たちは人間よりも遥かに大きいため、人間のはじめた物理的な交流、たとえばキスや抱きしめや撫でだりの多くを許してくれていると報告しました。
犬や猫など小さな動物は人間のキスや抱きしめを邪魔だと感じることがありますが、牛は体が大きいため人間の接触を脅威に感じていない可能性があります。
人間から接触を持っても許してくれるという部分は、セラピーにおいて重要です。
さらに牛たちは群れで暮らす性質があるためか、人間たちの傍から離れることはなく、常に1~3メートルの距離に留まりました。
この結果は、人間との交流が牛にとってあまりストレスになっていないことを示しています。
しかし研究では予想もできなかった事実も判明します。
牛との交流から受けた精神的効果を調べたところ、女性の参加者程大きな利益が得られていることが明らかになりました。
また牛のほうも比較的、女性の被験者のほうを好むことがわかりました。
研究者たちは「女性のほうが牛に対してより世話や給仕が多い養育型のアプローチをとる可能性が高い一方で、男性の交流スタイルは世話の対価として接触を求める取引的であったためだと」と述べています。
もし牛との交流でより多くの癒しを得ようと思うなら、牛に対してプライスレスな行動をとったほうがいいでしょう。
研究者たちは牛を使った治療が今後アニマルセラピーの補完的な手段になるだろうと述べています。