精神疾患に対する「意味の拡張」が、自称うつ病の人を増やしている

調査の結果、今回のサンプルでは197人(42%)が、現在自分は何らかの精神疾患を患っていると主張しました。
また、サンプルのうち、現在正式な診断を受けていたのは、150人(32%)だけでした。
このことを考えると、医療機関や専門家の診察を受けていない「自称・精神疾患患者」もある程度の割合で存在することになります。
(この中には、本当に精神疾患を患っている人と、実は精神疾患でない人が含まれるはずです)
そして、自称・精神疾患患者の増加には、「概念の漸動」が関係していることも分かりました。
概念の漸動とは、「虐待、いじめ、トラウマ、精神疾患、依存症、偏見」などの概念が、意味的に拡張されることを指します。
人々がそれらの危害に関して敏感になることで、本来はその用語に含まれるべきではない意味を、その用語に含めてしまうのです。
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例えば、メディアで「依存症」の問題が取り上げられると、人々がそのワードに一層敏感になることで、なんでもかんでも依存症と呼ぶ人が増えるかもしれません。
同じようなことが、精神疾患(例えば「うつ病」など)でも生じており、一部の人は、「うつ病」という言葉を拡大解釈しているようです。
今回の分析でも「自称うつ病」を主張する人は、精神障害の概念を広く持つ傾向があり、ストレスがあったり軽い気分の落ち込みについてもうつ病という認識を持っていたようです。
医師の診断を受けずに「自分はうつ病だ」と主張する人は、もしかしたら、そもそもうつ病の定義があいまいで、意味を広く捉え過ぎているのかもしれません。
また、こうした主張をする人は主に若年層と政治的にリベラルな傾向を持つ人に多かったと報告されています。
若年層は近年のメンタルヘルスへの意識の高まりから、うつ病を広い解釈で意識しやすくなっていることが原因と考えられています。リベラルな人々も主に社会の多様性や平等に意識を向けているため、精神障害に対しても広い概念で捉えてしまう傾向があるのかもしれません。
しかし一方で今回の研究は、「自称・精神疾患患者」と診断結果の関連性を示したわけではありません。
私たちは「診察を受けずに自称する人は、本当は疾患を抱えていない」とのイメージを抱きがちですが、実際にそうだとは限りません。
その人は診察を受けていないだけで、本当に精神疾患を抱えているかもしれないのです。
こちらも大きな問題であり、診察や治療が必要な状況の人が、周囲にうつ病を自称するだけで何も治療を行わないでいると症状が悪化する恐れがあります。
重要なのは、メンタルヘルスへの意識の高まりに応じて、きちんとした精神疾患に関する知識と認識を広めることです。
自称うつ病は今回のように問題にあげられることもありますが、逆に言えば自分のつらい気持ちや精神疾患について発言しやすい状況がきちんと社会に形成されているとも言えます。
精神疾患に対する認知が広まったことについては、ポジティブな要素と考えてよいでしょう。
若年層に自称うつ病が多いという今回の結果を考えると、近年のメンタルヘルスに対する意識の高まりに応じて、学校教育が正しく精神疾患がどういうものであるか教育していくことが大切でしょう。
記事内の一部表現について、修正して再送しております。
元の記事と研究報告はそんなこと言ってるか?
「自称うつ病」とか言う独自の用語を報告の内容のように記述するのはやめた方がいい。
また語弊を招くタイトル付けて…
“決め付ける”と”自称”じゃ意味や印象全然違うでしょ。煽ってPV数稼ぎたい三流サイトですか?前者の表現で十分でしょ。論文の中で専門家や研究者が称するのと訳が違いますよ?