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40%の人が幼少期の「架空の記憶」を持っているという研究

2018.07.18 Wednesday

Point
・およそ40%の人の3歳〜3歳半以前の記憶は「架空のもの」である
・家族との昔話などによって当時のイメージが塗り替えられることで、年齢を重ねるほどに記憶が形を変えていることが考えられる

最新の研究により、約40%の人が3歳〜3歳半より前の「初期の記憶」において「架空の記憶」を持っていることが明らかになりました。これは、人間の「初期の記憶」の研究としてはこれまでで最大規模のものとなります。

ロンドン大学、ブラッドフォード大学、ノッティンガム・トレント大学の研究者らによって行なわれたこの研究。参加者6,641人のうち約40%が「2歳よりも若い頃の記憶を持っている」と答え、約15%が「1歳よりも若い頃の記憶を持っている」と答えました。

中年期以降の成人に、こういった回答の傾向がみられました。これだけでは何も問題のないアンケートに思えますが、これが「架空の記憶」となれば話は別です。これまでの長年にわたる研究により、3歳〜3歳半以前の記憶は「幼児期健忘」によって長期記憶に残りにくいことが分かっているのです。

初期の記憶について調査するために、参加者には当時の記憶について詳しく語ってもらいました。その記憶はあくまでも参加者の「直接体験に基づくもの」に限定してもらい、「家族写真」などのはっきりとした証拠があるものは避けてもらいました。

そうして集められた描写に基づき、研究者たちは内容を評価。そして、記憶が「改変」される理由については、人が「昔の写真」をみたり、家族と幼い頃の「会話」をする中で、年齢の経過とともに記憶が形を変えていくといった可能性を示唆しています。そうして「事実」があいまいな「記憶」とすり替わっていくのです。

研究を行なったロンドン大学のマーティン・コンウェイ教授は、「初期の記憶を覚えていると主張する人の『記憶』は、誰かの『母親が緑色の大きなベビーカーを持っていた』などといった発言から生み出されるイメージによって構成されていると考えられます。そのような経験を重ねた結果、『架空の記憶』が出来上がっているといえるのです」と語っています。

via: medicalxpress, gizmodo / translated & text by なかしー

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